2012年12月01日

ととファミリー

今回もまたお世話になってしまった。
バリアフリーペンション”ととファミリー”の
中村ご夫婦。

いつ行っても同じおもてなし、同じ笑顔。
高島市の自然に囲まれてペンションを始めて5年。

冬は雪おろしと闘いながら、夏は障害を持った子供たち
と家族をおもてなし。

サラリーマンを辞め、福祉の道で生きると決心したご主人と、
障がい児教育の仕事をされている奥さまとの二人三脚。

取れたての無農薬野菜、手作りパン、ブイヤーベースの
煮込み料理。ととファミリーには、都会にはない静けさがあり
ここだけの時間が流れている。

「これからの時期は、雪が大変なんですよ」
むしろ、楽しんでいるように話して下さるご主人。


自然が足りなくなったら、ときどきここに来よう。









  

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2012年12月01日

落ち葉

「墨彩画をね、やってるの」

83歳のMさん。
近江八幡をドライブしてたら、あまりにも真っ赤な紅葉が
びわ湖の周りに広がっていたので、ここで車を止めることにした。

車を降りた途端、足元に落ち葉が一面に広がっていた。

「まるで、もみじのじゅうたんね。」

上を見上げて紅葉に一息ついた後、Mさんは
しゃがんで、今度はもみじを手のひらにのせられた。

「もみじって、描くの難しいのよ」
「遠いところと、近いところと描き方が違うから・・・・」

「へえ~そうなんですか。」

一枚一枚、丁寧に葉を拾いながら再び車に乗った。

車をしばらく走らせた後、サービスエリアで休憩することにした。
「どうぞ、着きましたよ」

後ろの座席を振り向いたら、Mさんは小さなスケッチブックを
開いていました。
何本もの色鉛筆を両手に持ちながら、一生懸命に何やら
描いているのでした。

車が止まったことも気づかず、病気で少し震える手を
気遣いながら、でも真剣なまなざしです。

「忘れないうちにと思ってね。」

スケッチブックには、かわいい紅葉が一杯に
広がっていました。







  

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2012年11月07日

さばのへしこ

「今日は何でそんなに機嫌がいいの?」

「いや~、今日はさばのへしこが届くから・・・・」

84歳のHさんは、にこにこした顔で一杯飲む手を
見せておいしそうな顔をした。

「滋賀では、食べられないものネ」
「そうなんや~」

舞鶴から引っ越してきたHさんが好物だと聞いて、
ネットでお取り寄せをしたのだ。

「さばのへしこって、さばをぬか漬けした福井の名物でしょ?」
「私も一回、食べてみたいな~」

「じゃあ、残しといたろうか?」
「うん、うん」

「自分でちゃんと、切れる?」
「手を切らないようにネ」

「大丈夫、大丈夫」


いつもは、手が震えると言いながら、字を書いたり
絵を描いたり、だんだんできなくなっていたのに、
この元気は何だろう??

食べる楽しみ。

いくつになってもネ。
  

Posted by どこでも介護 at 00:38Comments(0)ひとりごと

2012年11月07日

毎日新聞に載る!

記者の千葉さんと出会ったのは、今年の5月。
「僕も旅が好きで、個人的にも興味があって・・・」

5月24日にお出かけ風景をご利用者さまの目線で
低くカメラでとらえた写真がとても新鮮だった。

「今回、また、取材させてもらいたいと思いまして。」

4月から滋賀県初の高齢者向けの旅行業を始めたので、
新聞に載せてもらえるとのこと。

「僕も定年で仕事しなくなったら、海外に旅に
出たいと思ってるんですよ」

「私は、いつ死んでもいいように
思い残すことのない人生にしたいと今があるのかも
しれません。」

取材の時間は、1時間を超え、私は思いのたけを
千葉さんに話した。

千葉さんの聞き取りながらメモをとる小さい文字と、
帰るとき、皮靴のヒモを丁寧に結んでいる姿が
印象的だった。

(きっちりした人なんだな~)
その千葉さんが、11/3,驚くほどの大きな記事を毎日新聞に載せてくれた。

  

Posted by どこでも介護 at 00:27Comments(0)ひとりごと

2012年10月21日

花嫁

結婚式の朝、
お迎えに行った

「もうちょっと、待ってもらえますか?」
花嫁はお父さんの介護をしていた。

洗濯機の回る音。

「先に車に乗ってましょうね」
お父さんを車椅子に乗せ、タクシーで待つ。

「ここで、朝ご飯、食べていいですか?」と花嫁。
コンビニのパンとジュースを車の中で急いで食べました。

式場に着き、お父さんの着替えを済ませ、
親族控室で待っていたら、真っ白な花嫁さんが
となりに座りました。

「お父さん、着替えうまくいった?」
「すみません、全部お願いして・・・」

お父さんは、急に泣き出してしまいました。

「お母さんの写真、出さないとね」

さっき、洗濯物を干していた彼女は今日、
お父さんのもとから、巣立っていきました。





  

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