2013年02月22日
無口で口べた
入院中のOさんは、私が行くといつも
「大西さん、コーヒー飲みに行こうか~!」
「わし、無口で口べたやから、何にもよ~言えへんねん~」
8階からエレベーターに乗り、1階ボタンを押すと
「誤解(5階)のないように」
と冗談を言って笑わせてくれます。
車いすを押して、1階のローソン喫茶店に行く。
「わし、ホットな」
「は~い」
そんな会話を続けている。
お父さん思いの娘さんが
介護疲れで体調を崩され、病院で1か月
Oさんを見てもらうことになりました。
「わしが家にいてたら娘が休めへんやろう?」
「あいつもよ~やってくれるさかいな」と涙ぐみながら
話して下さいました。
そんな我慢もあと5日。
「あと5日でわし、退院できんのやな~」
「待ち遠しいね」
「大西さんと会えへんようになるんはさびしいわ~」
「わし、無口で口べたで気弱いし・・・」
病院のデートもうすぐ終わり。
私も少しさびしいな~。
「大西さん、コーヒー飲みに行こうか~!」
「わし、無口で口べたやから、何にもよ~言えへんねん~」
8階からエレベーターに乗り、1階ボタンを押すと
「誤解(5階)のないように」
と冗談を言って笑わせてくれます。
車いすを押して、1階のローソン喫茶店に行く。
「わし、ホットな」
「は~い」
そんな会話を続けている。
お父さん思いの娘さんが
介護疲れで体調を崩され、病院で1か月
Oさんを見てもらうことになりました。
「わしが家にいてたら娘が休めへんやろう?」
「あいつもよ~やってくれるさかいな」と涙ぐみながら
話して下さいました。
そんな我慢もあと5日。
「あと5日でわし、退院できんのやな~」
「待ち遠しいね」
「大西さんと会えへんようになるんはさびしいわ~」
「わし、無口で口べたで気弱いし・・・」
病院のデートもうすぐ終わり。
私も少しさびしいな~。
Posted by どこでも介護 at
21:13
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2013年01月30日
九州行きたい!
「お久しぶりです」
「私のこと、覚えていますか?」
「そらあ~覚えてるよ~」
Mさんは、にこにこ笑いながら、私の顔を懐かしそうに
見られた。
高次脳障害という脳の後遺症があるため、
すぐに忘れてしまうMさんを、心配そうに次女さんが
見守る。
「で、どこへ行きたいですか?」
「あのね、九州に行きたいの~」
「九州のどこ?」
「湯布院!」
「へえ~どうして湯布院?」
「えっと~?何があるか、ようわからんのやけど・・」
「昔、お父さんと新婚旅行で行ったわ~」
「ああ、そうだったの」
「九州新幹線に乗りたいの」
「今度は、私の喜寿の祝いやからな~」
なるほど。
「どこかわからんけど、何があるか教えて~」
じゃあ、計画を立てよう。
ここからが旅行ね。
「私のこと、覚えていますか?」
「そらあ~覚えてるよ~」
Mさんは、にこにこ笑いながら、私の顔を懐かしそうに
見られた。
高次脳障害という脳の後遺症があるため、
すぐに忘れてしまうMさんを、心配そうに次女さんが
見守る。
「で、どこへ行きたいですか?」
「あのね、九州に行きたいの~」
「九州のどこ?」
「湯布院!」
「へえ~どうして湯布院?」
「えっと~?何があるか、ようわからんのやけど・・」
「昔、お父さんと新婚旅行で行ったわ~」
「ああ、そうだったの」
「九州新幹線に乗りたいの」
「今度は、私の喜寿の祝いやからな~」
なるほど。
「どこかわからんけど、何があるか教えて~」
じゃあ、計画を立てよう。
ここからが旅行ね。
Posted by どこでも介護 at
23:52
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2013年01月30日
助けて
「急にごめんな~」
「お父さん、入院することになって・・・」
「急に悪いんやけど、大西さんとこで、付添頼めるかな~」
「お父さん、どうされたんですか?」
「いや、お父さんは悪くないんやけど、私が倒れそうなん・・・」
「くすり飲んでるけど、腰痛やら頭痛やらで、もうあかんの」
吸引の必要なお父さんを、献身的に介護されていた
娘さん。仕事との両立が限界のようだ。
受け入れてくれるショートステイがなくて、
病院がやっと受け入れてくれたそうだ。
「わかりました」
「お父さん、喜んでるわ~。」
「大西さん、来てくれはるって・・・」
どうやら、以前おじゃましたことを覚えておられる
ようだった。ホットした。
介護は一人でがんばらなくてもいい。
ときには、伴走者になって一緒に家族を見守る仕事。
私がやりたい仕事である。
「お父さん、入院することになって・・・」
「急に悪いんやけど、大西さんとこで、付添頼めるかな~」
「お父さん、どうされたんですか?」
「いや、お父さんは悪くないんやけど、私が倒れそうなん・・・」
「くすり飲んでるけど、腰痛やら頭痛やらで、もうあかんの」
吸引の必要なお父さんを、献身的に介護されていた
娘さん。仕事との両立が限界のようだ。
受け入れてくれるショートステイがなくて、
病院がやっと受け入れてくれたそうだ。
「わかりました」
「お父さん、喜んでるわ~。」
「大西さん、来てくれはるって・・・」
どうやら、以前おじゃましたことを覚えておられる
ようだった。ホットした。
介護は一人でがんばらなくてもいい。
ときには、伴走者になって一緒に家族を見守る仕事。
私がやりたい仕事である。
Posted by どこでも介護 at
23:40
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2013年01月01日
初詣
「おさい銭はな、500円玉と100円玉用意しといて」
場所はどこでもいいからと、近所の神社へお連れする。
「すご~い、列!、並びますか?」
「いやあ~、車いすやからもういいわ~」
「じゃあ、ここの端からお参りしましょう」
「代わりにおさい銭、あげてくるね。」
麻痺した左手が使えないので、
右手だけで合掌。
「今日は、おめでたが2つね」
「76歳のお誕生日、おめでとうございます!」
「ほんまに、うれしいわ~」
「で、何をお願いしたの?」
「ロト6で当たりますように・・・」
場所はどこでもいいからと、近所の神社へお連れする。
「すご~い、列!、並びますか?」
「いやあ~、車いすやからもういいわ~」
「じゃあ、ここの端からお参りしましょう」
「代わりにおさい銭、あげてくるね。」
麻痺した左手が使えないので、
右手だけで合掌。
「今日は、おめでたが2つね」
「76歳のお誕生日、おめでとうございます!」
「ほんまに、うれしいわ~」
「で、何をお願いしたの?」
「ロト6で当たりますように・・・」
Posted by どこでも介護 at
23:27
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2012年12月05日
これが最期
今日は、ご主人の23回忌。
比叡山延暦寺にお参り。
平均年齢90歳。
ご家族3人が丁重に本堂での参拝を済まされた。
「お位牌、どこにあるんやろ?」
「確か、左の方やったと思う」
そんな話をしていたら、
寺の方が探して下さり、
「ありましたよ」と指を差された。
いきなり、車いすに座っていたSさんが、
身を乗り出し、30センチもの台を乗り越えて
お位牌のご主人のところへ行こうとされているのでした。
2人介助で、両脇を抱えて何とかお位牌まで
たどり着く。
「もう、これへんから」
「これが最期やから」
何度もそう言いながら、
不思議な力に動かされているのでした。
「今日は、いい日やった~!!」
「また、来れますよ」
間違いなく!
比叡山延暦寺にお参り。
平均年齢90歳。
ご家族3人が丁重に本堂での参拝を済まされた。
「お位牌、どこにあるんやろ?」
「確か、左の方やったと思う」
そんな話をしていたら、
寺の方が探して下さり、
「ありましたよ」と指を差された。
いきなり、車いすに座っていたSさんが、
身を乗り出し、30センチもの台を乗り越えて
お位牌のご主人のところへ行こうとされているのでした。
2人介助で、両脇を抱えて何とかお位牌まで
たどり着く。
「もう、これへんから」
「これが最期やから」
何度もそう言いながら、
不思議な力に動かされているのでした。
「今日は、いい日やった~!!」
「また、来れますよ」
間違いなく!